【高校サッカー選手権】”色”のぶつかり合い、静岡学園が大逆転で王国復活へ

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令和初の王者は静岡学園、伝統の”静学スタイル”で24年ぶり戴冠

第98回全国高校サッカー選手権大会は1月13日(月)、埼玉スタジアムで決勝を行い、静岡学園(静岡)が前回大会覇者の青森山田(青森)を3-2と逆転で下し、24年ぶり2回目の優勝を果たした。

56,025人の大観衆がつめかける中、令和初となる選手権決勝に相応しい白熱した好ゲームとなった決勝。

試合は、19年度の高円宮杯プレミアリーグを制しこの世代の最強チームと名高い青森山田が得意のハイプレスで静岡学園にドリブルの自由を与えず、序盤のペースを握る。

MF武田英寿(3年:浦和内定)を中心にボールをおさえ徐々に静岡学園陣内に攻め込むと、前半11分、左サイドでフリーキックを獲得。キッカーのMF古宿理久(3年:横浜FC内定)が精度の高いカーブ性のボールをゴール前に蹴り込むと、これに飛び込んだDF藤原優大(2年)がピンポイントのヘッドで合わせ先制に成功する。

その後も前半25分頃から連続してコーナーキックを獲得するなど相手陣内に押し込んだ青森山田は、前半33分、ペナルティエリア左に飛び出した武田が相手GKに倒されPKを獲得。これを武田自身が左足で冷静にゴール右隅に沈め、青森山田が2点リードとした。

2点ビハインドとなった静岡学園も、トップ下に位置したMF浅倉廉(3年)を中心に密集地をかわすドリブルと細かなパス回しで前半途中から徐々にチャンスを作り始める。

すると前半終了間際、右サイドからのフリーキックのこぼれ球に反応したDF中谷颯辰(3年)が右足のシュートをゴール左隅に突き刺し1点差とし、迎えた後半、やや間延びした青森山田陣内を静岡学園がドリブルで切り裂くシーンが増え始めた。

後半16分にはこの試合が今大会初先発となったFW加納大(2年)が、途中出場のMF草柳祐介(3年)から受けたボールを上手くおさめ、反転しながら左足を一閃、ゲームを振り出しに戻す同点弾を叩き込む。

同点とされた青森山田は、後半26分にMF得能草生(3年)、31分にMF安斎颯馬(2年)を投入し再び主導権を握ろうとするが、後半40分、静岡学園がゴール前左サイドでフリーキックを獲得し、これをMF井堀二昭(3年)が右足でファーサイドに放り込むと、走り込んだ中谷が豪快にヘッドで合わせついに静岡学園が逆転に成功する

終盤、青森山田はロングスローが武器のDF鈴木琉聖(3年)を投入し同点を目指すが、最後まで集中の糸を切らさなかった静岡学園が気迫のこもった守備で応戦。試合はこのまま3-2で終了し、静岡学園が24年ぶり2回目、令和初の高校王座に輝いた。

前半は青森山田のハイプレスが機能

試合序盤は、中盤での強度に勝る青森山田が静岡学園のドリブル突破を許さずペースを握った。

静岡学園のエース、MF松村優太(3年:鹿島内定)は右サイドからの突破を試みるが、青森山田は左サイドバックのDF神田悠成(3年)が中盤と連動した守備で数的有利をつくり松村を抑え込む。

青森山田のボランチ、古宿とMF松木玖生(1年)も運動量豊富に局面に顔を出し、中盤で素早く相手に寄せ、静岡学園に自由なスペースを与えなかった。古宿はボール奪取後の落ち着いたボール回しと高いキック精度も際立った。

青森山田は準々決勝の昌平(埼玉)、準決勝の帝京長岡(新潟)とテクニカルなサッカーを展開するチームと対戦しており、ボールを保持する相手に慣れていたのも大きいだろう。

ゲームの開始直後から、一貫してハイプレスをかけ相手スペースを消すという自分たちのスタイルを実行し、数的有利や強度の強さで静岡学園を上回っていた。

特に序盤は前線からのプレッシャーも機能し、中盤の武田やFW田中翔太(3年)がボールロスト後に即プレスをかけることで、静岡学園のビルドアップを遅らせ中盤をコンパクトに保つことができていたのも大きい。

流れを変えた静岡学園の1点目

ターニングポイントとなったのは静岡学園の1点目だろう。

青森山田に2点目のリードを許した静岡学園は、マークが厳しい松村に依存せず浅倉やMF小山尚紀(3年)を中心に青森山田陣内に攻め入る場面もあったが、決定機といえるシーンをつくり出すには至らなかった。

しかし、前半終了間際のよい時間帯にセットプレーから1点を返し後半に突入すると、それまで高いラインを保っていた青森山田のディフェンスラインがやや下がり、中盤にスペースができ始めた。

決勝の大舞台で1点を争う展開のなかで、ゴール前を固めるようにポジションを下げてしまうことは心理的に当然といえる。

後半開始直後、それでも青森山田はプレッシャーをかけようと各選手がボールホルダーへチェックへ行っていたが、前半の機能性はやや失われ、徐々に前線とディフェンスラインが間延びしていった。

反対に前半は素早い寄せでボール際を潰され、なかなか良い形でバイタルエリアにボールを運べずにいた静岡学園は、この中盤にでき始めたスペースを見逃さず、右サイドの松村も中に切れ込む切れ味鋭いドリブル突破を見せ始める。

後半開始から投入された草柳が左サイドに入り、小山を中央にポジションチェンジさせる采配も的中した。

草柳は縦に鋭い突破を見せサイドの位置どりで優位に立つと、テクニックに優れた小山と浅倉が中央のスペースでボールに触れる回数が増えはじめる。

両サイドの松村と草柳、中央の小山と浅倉、4人を中心に効果的なボール回しが可能になると、後半16分、左サイドのポゼッションから草柳が中央に切り込み、最後は加納の素晴らしい反転シュートで同点とした。

大会を通じ、徹底した”静学スタイル”が決勝という大一番で結実した瞬間だった。

両者のスタイルを貫いた高レベルな決勝

90分を通し、両者ともそれぞれのスタイルを貫いたハイレベルな好ゲームだった。

特に前半は高い位置からハイプレスをかけ、バランスの良さと局面の強さを見せた近代的なサッカーの青森山田。

伝統のドリブルと素早いパス回しから、独創的な攻撃を披露した静岡学園。

どちらも優勝に相応しい実力あるチームだったが、今回は反撃の狼煙から逆転までの流れを上手くつないだ静岡学園に軍配があがった。

互いのサッカースタイルを真正面からぶつけ合った両者に心から拍手を送るとともに、多様化の進む育成年代のサッカーシーンで、『高校サッカー』の持つ無限の可能性と魅力を再認識させてくれた両校に感謝したい。

2022年には第100回大会を迎える高校サッカー選手権大会だが、今後も様々な”色”をもつ魅力的なチームが現れるだろう。

他方、今回の決勝での全5得点のうち、実に4点がセットプレーから生まれ、特徴的なスタイルを駆使した両者の戦いにおいても、セットプレーが重要な役割を果たしたこともまた興味深い。

サッカーの戦術的な深まりは加速度的に増していく一方だが、積み上げられた伝統や理論を磨きつつ、また新しいスタイルのチームが躍進するのを楽しみに次回の選手権大会を待ちたい。


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